musubiオープンDays第3弾を終えての考察(Vol.3)

◎《今回、改善した10のこと》に対する考察


(1)当初の予定よりも期間を延長した(お盆シーズン)

(2)僕がすべての日程musubiに滞在した

(3)musubiをリトリート施設と定義した

(4)musubiのコンセプトシートを作成し、チェックイン時に読んでもらうことにした

(5)ドリンクメニュー表を作成し、チェックイン時にオーダーしてもらうことにした

(6)参加方式にペイフォワードスタイルを採用した

(7)ギフトレターとギフトボックスを用意し、次に来る人へのメッセージを残すことにした

(8)ホストとゲストの境目をなくし、やりたい人がやりたいことをやるという基本ルールを共有した

(9)不定期で(主に昼食時と夕食時)、参加者全員で感じていることをシェアする時間を設けた

(10)僕が必要以上に参加者に気を遣わずに、やりたいことをやることにした(楽しむことにした)




今後、musubiのような場所をつくろうと思う人にとって参考になると思うので、改善した点を細かくまとめておく。というか、そもそもGiftShare構想は、四国のお遍路をモデルとしているので、musubiのような場所をまずは日本中に88箇所、続いて世界中に88箇所つくりたいと考えている。すべてを僕がつくる必要はないと思っていて、価値観や理想を共有できる人と一緒につくっていけばいいと思っているので、すでにある場所や人と手をつなぐことになるかもしれない。僕は、僕のプロジェクトとしてやりたいというこだわりもなければ、どんなプロセスを歩んでいってもいいと思っているので、そこまでの過程を楽しんでいきたいと思っている。興味のある方はご連絡ください。



さて、ひとつずつ改善したことをまとめていこう。




(1)当初の予定よりも期間を延長した(お盆シーズン)


これはとっても単純な話。オープン期間を延長して、それがお盆のシーズンだったため、musubiに来やすくなった人が増えた。特に、会社勤めの方が家族旅行を兼ねて来てくれたということもあったので、この改善はよかったと思っている。たくさんの人に触れてもらうことが目的のオープンDaysを開催する上で、一般的なカレンダーとあわせて日程を設定することは大事だ。



(2)僕がすべての日程musubiに滞在した


僕がmusubiに滞在したということもよかったことだろう。僕は、暮らしの中で得る気づきや学びこそが、最も人生に大きな変化をもたらすと思っているので、発起人である僕が暮らしの中にいることは大事だったと思う。今までは「寝る時間はいなくてもいいだろう」と基本的には夜は自宅に帰っていた。それがどれだけ大きな違いを生み出していたかはわからないが、少なくとも一緒に暮らしている感は今回の方が大きかったと思う。



(3)musubiをリトリート施設と定義した


今までは、musubiのことを、カフェと宿泊施設とコミュニティスペースの機能を持った複合施設などといったよくわからない表現をしていたが、今回からは“リトリート施設”と言うように変更した。


Wikipediaによると、リトリートとは「仕事や家庭生活などの日常生活から一旦切離し、自分と向き合う時間や新しい体験を新しい場所ですることで思考の転換を行い、“よりハッピーに人生を再スタートする”こと」と定義されており、これは間違いなくmusubiの行っていることそのものだと思った。「musubiに一杯のコーヒーを飲みにくるのも、宿泊するのも、musubiで開催するワークショップに参加するのも、すべてリトリートだ」と言ったときに、妙なしっくり感があった。


musubiの語源である産霊(むすひ)には、万物を生み成長させる力という意味がある。「命が生まれる場所」「生まれ変わりの場所」になるというインスピレーションからmusubiという名が付いたが、それをもっと軽く表現したら、“よりハッピーに人生を再スタートする場所”ということだと思う。




ちなみに、今後musubiの運営と個人のリトリートを掛け合わせた、ギフトエクスチェンジ×リトリートプログラムというものをつくろうと思っている。


海外で長期滞在をするときに活用される仕組みに、ワークエクスチェンジやWWOOFと言われるものがある。要するに仕事をする代わりに、食事と寝床を提供されるというものだ。そのモデルを参考に、musubiの運営スタイルを確立していきたいと考えているが、musubiでは、ワーク(労働)ではなくギフト(才能)を交換してもらう。つまりは「自分がやりたいと思うことをやってもらう」ということだ。これで本当に運営がうまくいくかどうかは、前出した「完全に自由な環境が用意されたときに、人は怠惰に向かうのか、誰かへの貢献に向かうのか」という問いに対する答えになるが、僕は上手くいくと信じている。


また、この仕組みが単にmusubiを運営するためのものに留まらないところが面白い部分だと思う。musubiの特質上、musubi滞在期間中は、自然に囲まれた環境で丁寧に暮らし、訪れる様々な人たちと交流し、自分のギフトを実践するという体験が積み重ねられる。その暮らしの中にこそ、自分のギフトを見つけるヒントがちりばめられており、人生を見つめ直すリトリートとしての効果が期待できる。


僕は、「自分のギフトがわからない」という相談を受けたら、「色々と頭で考えるのではなく、何でもよいからやりたいことをやってみよう」と返している。やってみて違うと感じたら、次は別のことをやればよい。いくつもの違うと感じる経験を重ねることで、少しずつ本当の自分のギフトに近づいていくのだと思う。それは、一本の大木を削り続け、不必要なものを削り切った先に出現する、ひとつの美しい彫刻作品のようなもので、削ることをしなければ、本当の姿なんてわかるはずがないと僕は思っている。


そんなギフトエクスチェンジ×リトリートプログラムは、プログラム参加者にとっては、自分のギフトを見つめる機会になるというメリットがあり、musubiにとっては、常にギフトが循環して運営されるようになるというメリットがあるため、双方にとってメリットのあるプログラムになると想定している。参加基準をどうするかなどといった詳細は、追って詰めていきたい。




(4)musubiのコンセプトシートを作成し、チェックイン時に読んでもらうことにした
(5)ドリンクメニュー表を作成し、チェックイン時にオーダーしてもらうことにした


コンセプトシートとドリンクメニュー表はこんなものを作成した。オープンDays開始前夜から当日朝までの時間をかけて自分で作成したが、本当につくってよかったと思う。会社員時代に使っていたIllustratorの使い方を思い出しながら、眠気と戦いながら朝までに完成させた自分を褒めてあげたい(笑)


〈musubiコンセプトシート〉


〈musubiドリンクメニュー表〉


今までのオープンDaysは何もツールのない状態で、musubiやGiftShareの説明を口頭でしていた。今までも、ドリンクやお菓子は出していたし、コンセプトの説明はしていたが、毎回長々と説明をするにも関わらず、なかなか真意が伝わらないことに課題を感じていた。


特に、musubiにあるすべてのものが誰かの思いによって持ち寄られたギフトなので、すべては「ラッキー」ではなく「感謝」なんだということを共有したかったのに、どうしても「あって当たり前」なもののように扱われてしまうことが少なくなく、悲しさを感じていた。



そこで、musubiに着いたときのフローを変更した。ホテルでいうところのチェックイン時。


まずは、一般的な飲食店のように、ドリンクメニュー表を見て、自分のドリンクをオーダーしてもらう。そして、ドリンクが運ばれてくるまでの時間で、musubiのコンセプトシートを読んでもらうようにした。読み終わるまでは話しかけない。


musubiは建物のつくりや家具が印象的なこともあり、今までは僕の話を聞いているようで聞いていない人が少なくなかった。話を聞きながらも、まわりの環境に目が行ってしまい、意識が散漫になっていた。なので、場のコンセプトや大切にしている価値観をまとめた1枚のシートを読んでもらうことで、集中して情報を頭に入れてもらうことにした。


ドリンクメニュー表を見てオーダーをするというプロセスは、一般的な飲食店との比較をしてもらうためだ。人はまったく新しい概念をそのまま理解することが苦手だ。多くの場合、その人がすでに知っている何かとの比較を持って、相対的に新しい概念を理解する。


今回のケースであれば、一般的な飲食店との比較を持ってGiftShareの概念を理解してもらおうと思って、ドリンクメニュー表を用意した。通常であればお金がかかるもの(ドリンク)がギフトになっているという体験を最初にしてもらうことで、そこからはじまるmusubi滞在のすべてが当たり前ではないという認識を共有できる。


また、「ギフト=フリー(無料)ではない」という概念も、次にまとめる「参加方式のペイフォワードスタイル」や「ギフトレター&ギフトボックス」の説明で理解してもらう。


さらに、ドリンクを提供してくれる人がスタッフではなく、自分と同じ参加者だということも面白い体験になる。サービス提供者であるホストと、利用者や消費者であるゲストの境目がなく、この場において、自分はホストでもありゲストでもあるというGiftShareの世界観が、一般的な飲食店とはまったく異なるものだということを、このドリンクを提供されるという体験を通して、理解できるようになる。musubiやGiftShareの世界観に入っていく入口の体験としてはとても効果的だった。



ちなみに、コンセプトシートはカルマキッチンのものを参考にした。オリジナルのものをつくりたいという気持ちもあったが、まずはどんな形であってもスタートすることが大事だと思ったので、基本的なデザインはパクらせてもらった。何事もTTP(徹底的にパクる)からはじめることは効果的かつ効率的だ(笑)


〈カルマキッチンコンセプトシート〉


近いうちに専用のパンフレットをつくりたいと思っているので、素敵なパンフレットを作成するというギフトを持ち寄ってくださるデザイナー、Wanted!!! ご連絡お待ちしておりますm(_ _)m



(Vol.4に続く)

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